合同会社の設立登記の手続き

合同会社の設立登記合同会社設立の登記申請は、設立後に合同会社の代表社員となる方(代表社員が法人の場合は、その職務執行者)により、本店の所在地を管轄する法務局に対しておこないます。

なお、株式会社とは異なり、登記期間の定めはありません。

また、合同会社の設立登記にかかる登録免許税額は、設立する会社の資本金の額の1000分の7となりますが、資本金の1000分の7の額が6万円未満(資本金の額が857万円以下)の場合は、登録免許税額は6万円となります。

合同会社の登記事項

本店の所在地における合同会社の設立登記の登記すべき事項は、以下のとおりとなります。

■1.目的
合同会社が営む事業のことです。目的は適法であることを要し、強行法規や公序良俗に反する事業を目的とすることはできません。また、法令上、資格者(弁護士、司法書士等)に限り行うことができる事業を目的とすることもできません。

■2.商号
会社名のことで、合同会社であれば、その商号の中で「合同会社」の文言を使用しなければなりません。

■3.本店および支店の所在場所
本店の所在場所は、会社の事業活動の拠点における住所のことです。拠点が複数ある場合は、統括的役割を行う拠点における住所が本店の所在場所となり、それ以外の拠点における住所が支店の所在場所となります。

なお、住所のうち、ビル名やマンション名、部屋番号については、本店および支店の所在場所として登記することも省略することもできます。

■4.定款で、合同会社の存続期間または解散事由を定めたときは、その定め
実際には、合同会社の設立時の定款で、会社の存続期間や解散事由を定めることはあまりないかとは思いますが、もし定めた場合には登記事項となります。

■5.資本金の額
合同会社の設立時の資本金の額は、社員となろうとするものが出資した財産額のうち、業務執行社員の過半数の一致により資本金に計上すると定めた額となります。そして、出資財産額のうち資本金に計上しなかった分は資本剰余金となります。

実際の合同会社の設立においては、多くの場合で、出資財産額の全額を資本金の額としています。

■6.業務執行社員の氏名、業務執行社員が法人の場合はその名称
出資だけをして業務を執行しない社員については、登記事項にはなりません。

■7.代表社員の氏名(名称)および住所
代表社員については、住所も登記事項となります。

■8.代表社員が法人である場合は、その社員の職務執行者の氏名および住所
法人が業務執行社員となる場合は、その法人は、業務執行社員としての職務を行う者(職務執行者)を選任する必要があります。そして、その法人が代表社員である場合には、この職務執行者の氏名と住所が登記事項となります。

■9.公告の方法
合同会社の公告方法には、①官報に掲載する方法、②時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法、③電子公告があります。なお、公告方法を「A及びB」のように重畳的に定めることは可能ですが、「AまたはB」のように選択的に定めることはできません。

■10.公告方法が電子公告であるときは、電子公告を行うウェブページのURLおよび予備的公告方法を定めたときは、その定め

設立登記の添付書類

合同会社の設立登記申請における添付書類は、以下のとおりとなります。

■1.定款
合同会社の定款については、公証人の認証は不要です。

■2.業務執行社員の一致を証する書面
本店所在場所および資本金を決定したことを証するために添付します。もし、代表社員を定款で定めずに、業務執行社員の互選により定めた場合には、代表社員を決定したこと証する書面にもなります。この書面には、業務執行社員が押印(認印可)をします。

■3.代表社員の就任承諾書
代表社員を、定款の定めに基づく業務執行社員の互選によって定めた場合に添付します。定款で代表社員を定めた場合や、社員が1人の合同会社の場合(当該社員は、法律上当然に業務執行社員及び代表社員となるため)には、添付は不要となります。

■4.業務執行社員が法人である場合は、その法人の登記事項証明書
ただし、業務執行社員となる法人の本店または主たる事務所の管轄法務局が、設立登記を申請する法務局と同じ場合は、添付は不要となります。

■5.代表社員が法人である場合は、その法人の業務執行に関する決定機関(取締役会等)において職務執行者を選任したことを証する書面および職務執行者の就任承諾書

■6.出資財産の払込みおよび給付があったことを証する書面
➡払込みがあったことを証する書面の作り方

■7.資本金の額の計上に関する証明書
ただし、出資財産が金銭のみの場合は、添付が不要です。

■8.印鑑届書
代表社員が個人の場合は、印鑑届書にはその方の実印を押印し、その印鑑証明書(発行後3カ月以内のもの)を添付します。
代表社員が法人であり、職務執行者にその法人の代表者がなる場合は、印鑑届書にはその法人の届出印を押印し、代表者についての資格証明書および法人の印鑑証明書(どちらも発行後3カ月以内のもの)を添付します。
代表社員が法人であり、職務執行者にその法人の代表者以外の方がなる場合は、印鑑届書にはその職務執行者の印鑑(認印可)を押印し、その法人の代表者が、提出する印鑑が職務執行者の印鑑に相違ないことを保証した保証書+法人の印鑑証明書(発行後3カ月以内)を添付します。